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2012/03/18

手紙は机の上、埃と机の上。

アナログフィッシュ

Town meeting Nagoya
2012.3.16 Fri. HUCKFINN FACTORY

アナログフィッシュ・アコースティック「タウンミーティング」。
名古屋初開催。そしてアナログ初の名古屋ソールドアウト!
(といってもファクトリーのキャパが小さいんですが)
でも逆にこのキャパでワンマンを観れるのは貴重なことかと。


健ちゃんはここで2度弾き語りをやってますが、バンドでもここの下(ハックフィン)で何度かライヴをやっていて下岡さんはMCで「思い入れがある」と言ってた。ツアーは「ハルコウララ」まではハックフィンでやってたんじゃないかな(それ以降はずっとクアトロ)。ライヴの打ち上げはファクトリーでやってた、とも。

まず第1部、3人のアコースティックセット。曲によって各人楽器を使い分ける。健ちゃんはエレキベースとアコギ、下岡さんはエレキギター、アコギ、シェーカー、鈴(音楽の授業で使うあれ)、州さんはスネア、ハイハットにタンバリン、クラッシュシンバル、それにリズムパッドっていうんですかね。それにペダルを繋いでバスドラの音も出してました。手元はブラシ、マレット、シェーカー、ビブラスラップ。観てて飽きない。

まず「曖昧なハートビート」。音源では淡々としたリズムマシーンの様な乾いた音で進んでいくけど、ここではブラシでスネアを叩いてたのでかなり印象が違った。そして次の「オルタナティブ・ガールフレンド」の方を淡々とパッドを叩いてて意外だった。普通逆じゃないか。面白い。新鮮だった。「オルタナ」は健ちゃんの渦巻くようなうねるベースが入るとほんと良くなるね。バンドでレコーディングしちゃってもよいと思う。

続いて「いつの間にか」「ハッピーエンド」とバンドであまりやらない佐々木曲2連続。なんとレアな選曲。「ハッピーエンド」の前に健ちゃんが「女の人が化粧をしてきれいになっていくのっていいですよね」と言って、下岡さんが「そんなこと思ってるのか・・・」的な反応をしてたのが面白かった(笑)。

「ハーメルン」は下岡さんのふにゃっとしたボーカルが徐々に緊張感が増す歌い声になっていって、不穏に終わる。こういう不穏でおとぎ話っぽい曲作らせたらたぶん日本で一番だと思う。それにしてもこの曲、ライヴで聴くのいつ以来だろう? 今日は全体的にレア曲が多くてびっくりしたんだけど、この後もっと驚きの展開が待ってたんですよね。とんでもないことになった。

「ゴールドラッシュ」はバンドバージョンでも音数が少ないのでアコースティックでやっても印象はそれほど変わらず。ほんとこの曲大好き。曲が終わって下岡さんが「うん、俺たちやり切った!」と言って第1部終了。


休憩かと思ったら弾き語りコーナーになった。健ちゃんだけかと思ったら後で下岡さんも出てきた。その間ずっと州さんは客席最後列の物販のところにいた。

まず健ちゃん弾き語り。聴いたことのない曲を歌い出す。最初に曲名を言ったかもしれないけど聞き逃してしまった。サビの「吸い込んじゃう」だっけな、その歌詞で「ん?これは?」と思ったけどわからず、終わった後「バキューム」と曲名を言ってくれて「!!!」となった。え、この曲ライヴでほとんどやってないでしょ? まずそこで1つ目の衝撃。続いて弾き語りの定番となりつつある「おとぎ話」。緩急と抑揚をつけた素晴らしい歌声。元は下岡さんの曲だったけどもう完全に健ちゃんの曲。


健ちゃんがはけて下岡さんが出てきた。顎に手を置き、ステージ後ろの絵をじーっと見て「あれ、何? どういう絵なんだろう?」って訊いた。人が穴を覗き込んでいる絵。下岡さん余裕あるなあ。

「健太郎が2曲やったので2曲やります」「健太郎はいろんなところで歌っててプロだけど、俺は素人っぽくやります」などと言ってまず「のどかないなかのしずかなもぐら」。アコギとは思えない不穏でノイジーなギター。

健ちゃんの「バキューム」について、「健太郎、今はセブンスとかディミニッシュも使うけど、昔はもっとシンプルなコードで大きなメロディを歌ってた。この曲もそう。いいよね」と。「なのにバンドでやると何かうまくいかないんだよね」とも。そうなのかあ。

そして、このライヴ一番の衝撃の瞬間がやってきた。

下岡さんが話し出す。「下伊那郡喬木村にいた頃、健太郎と2人で音楽始めたんだけど、俺は楽器もできずバンドもやったことなくて。健太郎がいろいろやるんだけど俺は見てることしかできなくて。うまくいかないと健太郎が『アナログフィッシュやめる!』って言い出すので、俺はそれを止めるの大変だったんだ」って。爆笑エピソード。何もできないけど止める係なのか(笑)。「だから東京に出てきた時、俺がやれる曲はこれくらいしかなくて」という紹介で始まったのが、「手紙」。

「手紙」ですよ、「手紙」!

「僕に手紙を書く時は漢字にカナをフッて下さい」ですよ!

もちろん私は初めて聴いた。ライヴでやるのはいつ以来? 後で「10年ぶりくらいじゃない?」と健ちゃんか州さんどちらかが言ってたけどそれくらいなんだろうな。思わずツイッターでつぶやいたら古参ファンの友達のびっくりして叫んでた。

何というレア曲・・・こんな贅沢させてもらっていいのか名古屋。

でもね、各人弾き語りの機会が増えたらこうやって昔の曲が復活する可能性も増すんじゃないかと思うんですよ。例えば佐々木曲であれば「僕らの太陽」、下岡曲であれば「いらない」とか。「ダイオード」を3人で歌ってもいいじゃない。夢が膨らみます。頭ん中なら自由だ。


そして第2部、再び3人のアコースティックセットで。

「星に願いを」は健ちゃん弾き語りで2度聴いたことがあるけど、バンドでは初とのこと。わあ。バンドバージョンだとベースが入るので疾走感が増してとてもいい。どんどんやってほしい。そして「あいのうた」。確かこの曲を受けて、下岡さんが「アナログフィッシュがラブソングを歌ってるイメージはないと思うけど、今日はラブソング多いね。でも俺たち結構ラブソング多いんだよ」と。バレンタインにUstされたライヴで、確か「Hybrid」を「ラブソング」と紹介したんだっけな。そして続いて「抱きしめて」。この曲こそ下岡晃が書く最高のラブソングだと思う。切なくリアルだけどこんなに深い根源的な愛を歌うラブソング、他にないと思うんだ。

最後に意外な展開が待っていた。「確率の夜、可能性の朝」で客席2部コーラスをやるという。来週京都磔磔でこの曲をレコーディングするんだけど、そのリハーサルということらしい。え、今から公開リハですか(笑)。

段取りがスムーズじゃなくて本当に練習っぽくて面白かった(笑)。去年7月のタウンミーティングではすらすらと指示してたけど今回はちょっとバタバタしてた。シェーカーを客席に渡してたのはともかく、ビブラスラップを渡された人困るよね。どこで叩けばいいんだ(笑)。ちなみに上のコーラスを州さんが、下を健ちゃんがお手本を示してくれました。

ファクトリーのテーブル席エリア、通称「檻」(by下岡さん)に座っている人が上を、それ以外の人が下を歌った。私は下でした。下の3小節目の音が難しいなあと思ってたら下岡さんがそれを察してくれて気を遣ってくれた。ありがとう! 途中、下岡さんがメンバーに対して「こいつら(「お前ら」だっけ?)」と言いかけてはっとなり、「・・・素敵なバンドのお友達」と言い直してたのが面白かった。

最後は演奏と下岡さんボーカルに合わせて。なかなかいい感じでした。でも「磔磔は音出し9時までだから、どうやって進めていくかもうちょっと練らないと」と下岡さん。やっぱり完全に練習だったんだ、今日(笑)。でも磔磔楽しみだなあ。終演後物販にいた州さんに「磔磔は音の響きが違うから来週楽しみです。頑張って歌います」と言ったら「そうだね。磔磔こそアコーティック向きだよね」と返してくれた。

アンコールは「アンセム」。ちょっと泣きそうになった。最近健ちゃんの開けた曲がとても幸せに響いて涙腺を刺激するんだよな。参りました。

バンドでも弾き語りでもレア曲あり、まさかの「確率の夜、可能性の朝」の観客コーラス。盛りだくさんだった。さらにベスト盤を物販で買い、3人にサインまで頂いた。もう、本当に、満足。名古屋でタウンミーティングやってくれてありがとう。

***
アナログフィッシュのアコースティックセット、とてもいい。通常セットも各人弾き語りもいいけどまたそれとは違う魅力がある。シンプルなアレンジの中に優しいギターもあれば不穏なギターもあるし、激しくうねるベースラインもある。そういった音の要素が全部くっきり聴こえるからとても気持ちいい。アナログフィッシュ・アコースティック。丸ごと生魚を皆さんも是非。


<セットリスト>

* 第1部(アコースティックセット)

曖昧なハートビート
オルタナティブ・ガールフレンド
いつの間にか
ハッピーエンド
ハミングバード
ハーメルン
ゴールドラッシュ


* 弾き語り(佐々木)

バキューム
おとぎ話


* 弾き語り(下岡)

のどかないなかのしずかなもぐら
手紙


* 第2部(アコースティックセット)

星に願いを
あいのうた
抱きしめて
確率の夜、可能性の朝(客席2部コーラス)

en.
アンセム

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