ありったけの願いを込めて今日は歌おうぜ
アナログフィッシュ
TOKYO SAVANNA
2011.10.10 Mon. 日比谷野外大音楽堂
1月から待ちに待ったトーキョーサバンナ、遂にやってきました。
初めて行く野音。わくわくする。
早めに野音に行って友達と合流。野音の外聞きっていうのにすごく憧れていたので入口前で座ってリハ待ち。しばらくすると音が聞こえてきた。買ってきたお弁当やお菓子を食べ、ビールを飲んでのんびりとすごしつつ、リハの音にいちいち反応してしまう。最近ライヴでやっていない「バラフライ」のイントロが聞こえた時にはものすごく興奮してしまった。この曲大好き。
16時から「テイスティングライブ」と称した30分フリーライヴ、そして18時から本編という構成。フリーライブはたまたま知ってふらっとやってきた人に聴いてもらい、気に入ればば本編も来てね、という試み。魚だけに「味見」=「テイスティング」なわけね。
<テイスティングライブ>
いきなり「Fine」。健ちゃんの声が野音に響く。このライヴ、絶対成功させる!という意志が感じ取れるはじまり。ぱっと開けるように明るくなった。気持ちいい。「Hello」も久しぶりだなあ。楽しい。「ガールフレンド」では「これぞアナログフィッシュ」というコーラスを堪能。この3曲で「健ちゃんの声ぢから」「下岡さんの歌詞世界」「3人のコーラス」をという3つの側面を見せてくれた。なるほど、「テイスティング」にふさわしいな。
そして、州さんのドラムが素晴らしかった。好きなドラマーとして別格。安定感があり、やんちゃなところもあり。歌うように叩く。はあ、すごい、とため息。前日前越くんを見てでれでれしてたのにもうすっかり州さんの虜(笑)。
次に、来た! 「バタフライ」。フリーライヴでやるのはもったいないと思ったけど、やってくれるだけも嬉しかった。序盤ゆらゆら揺れながら、でも後半激しく駆け上っていって、最後は「らっせー!」。アウトロめちゃくちゃかっこよかった。
そして最後に下岡さんが「本編は6時からなんだけど、その時間だともう暗いと思うから今やりたい」といって「夕暮れ」。・・・来た! 歓声が上がる。野音で聴きたいとみんな思ってただろうな。16時半ちょっと前、まだ明るく暮れ始めの空に響くコーラス。です夕暮れです夕暮れです夕暮れです。
たった30分だったけど、濃い味のお魚だった。満足。
Fine / Hello / ガールフレンド / バタフライ / 夕暮れ
***
一旦会場から出て待機。感想を言いつつ、屋外でお酒飲んだりお菓子食べたり。友達みんなもう満足してしまっていたけど(笑)、待ちに待ったこのライヴが終わってしまったらしばらくライヴがないので、終わっちゃうの寂しいなあとも。
<TOKYO SAVANNA>
もう一度野音の中に入ると、ステージのバックにテイスティングの時にはなかった巨大な「荒野」のジャケット絵が。しばらくしていつものように「Walk on the Wild Side」が流れて、改めて3人が登場。大きな拍手と長めのアナログ会議。
1曲目は「TEXAS」。あのイントロが夜の野音に響いてライヴが始まったらいいなあと思っていたので嬉しくなった。月が浮かんだ空に広がるでかい世界。そして次は「SAVANNNA」。サビのところで友達と手を挙げた。畳み掛けるような曲展開と州さんのドコドコドラムが楽しい。
「ロックンロール」では「ドアを開ける 閉める 鍵をかける」のあと、州さんがスプラッシュシンバルをくるっと回したのがかっこよくてかわいらしくて、にやにやしてしまった。そして健ちゃんが! 白シャツに長めの前髪、MCで言ってた「ラーメン二郎絶ち」(笑)して12kg痩せた身体。かっこよくてどきどきしてしまった。こんなの健ちゃんじゃないよ!(笑)
そうそう、州さん、ものすごくシンプルなドラムセットだった。シンバルはハイハットと右のクラッシュ、左のスプラッシュのみ。8月に名古屋で観た時も同じセットだった。その時は「翌日京都でアコースティックライヴだから持ってきてるシンバルを少なくしたのかな」と思ったのだけど、まさかこれで野音もやるとは思ってなかったので驚いた。これだけシンプルなセットでもいろんな表情のドラムを叩く。ものすごい表現力だと思う。釘付けになった。
「Town」も嬉しかった。客席から大きなコーラスが起こる。「ハミングバード」の前には健ちゃんが「戦う女に人に捧げます」というMC。
「チアノーゼ」「平行」「Hybrid」の3連続が中盤のハイライト。こうやって下岡曲を叩きつけられるとこちらは相当頑張って受け止めないといけない。下岡さん、黒のストラト。「平行」ではソロしか弾かないし「Hybirid」ではハンドマイクだから完全に弾かない。それでも分厚く迫り来る音。「Hybrid」では立ってるのがやっとなくらい気迫に押されてた。
下岡さんのMC。「地デジ化の波に乗り遅れて今うちにテレビないんだけど(笑)。だから人と話しててびっくりすることがある。テレビがない生活で思ったのが、誰が被害者とか誰が加害者とかじゃなくて、俺たちも加害者なのかもしれないって・・・」と。まさに「Hybrid」な話だった。あと、「ふと急に5月7日から『野音までお酒やめよう』と思った」という話も。
「PHASE」の前に「次のPHASEに行く用意はあるかい?」と下岡さん。サビでびしっと右手を挙げる。客席でも上がる手。そして次の「Fine」がすごくよかった! 始まる前フリーライヴと曲被りなしって言ってたけど、この曲は2度やってくれて本当に良かったと思った。2回目の方がキラキラしてて本当に幸せな気持ちになった。そして「アンセム」。わあ、嬉しい! サビで上がる、伝えたいことをキャッチする両手、両手、両手。素敵な光景だった。
そして最終盤、「Sayonara 90's」。最初下岡さんが音を取りにくそうにしていたけどすぐ掴んで、そこからはすごかった。「かっとばせー!」もその後の演奏も、すべてを飲み込んでしまうような激しさだった。最後は下岡さんが「みんなの可能性について歌った曲」と紹介して、「荒野」。静かに、でも熱と信念が詰まったでかい曲。聴きながら立っているのがやっとだった。
***
アンコール。3人が缶ビールを持って登場。お酒絶ちしていた下岡さんも解禁! みんなでライヴ成功を祝して乾杯した。そして「チーム・アナログフィッシュ」の紹介。PAサイスさん、舞台監督カズロックさん、ツアーマネージャー渋木さん、そしてマネージャー新井さんが紹介された。
そして「カズロックさんがこの曲だろう、と言ってくれたので」と、「出かけた」。
来た。ここでそう来るか。曲紹介だけで鳥肌が立った。
忘れた頃にこの曲をやって私の魂をぶち抜いていくアナログフィッシュ。キッス・ジャパン・ツアーの大阪、10×10×10、州さん復帰後シークレットで出たミナホ、そして今日。
嵐のようだった。
***
3人はこのライヴで何も変わったことをしなかった。セットリストも新譜からの曲が多く、「今のアナログフィッシュ」ならそうなるだろうというものだった。ゲストがあるわけでなく、特別な装置があるわけでなく、いつもの「3人だけのライヴ」だった。
そして、それがすごかった。
シンプルなドラムセット、弾かないギター、真っ直ぐな歌声。いつものアナログフィッシュ。
余分なものも足りないものもない3人だけのステージ。スモークが焚かれ逆光に浮かぶ3人のシルエットが美しかった。それは今まで観たアナログのライヴの中で一番美しい光景だった。
圧倒的に、何もかもが美しい夜だった。
TEXAS / SAVANNA / LOW / ロックンロール / Town / UNKNOWN / No Way / ハミングバード / チアノーゼ / 平行 / Hybrid / 戦争がおきた / 風の中さ / PHASE / Fine / アンセム / Sayonara 90's / 荒野
en. 出かけた
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コメント
やまさん、なんだかすっかり女子ですね笑
や、僕もあの日の情景を思い出しました。いつもながら、ありがとうございます。
投稿: iuuk | 2011/10/19 22:48
iuukさん:
えー、女子ですかね(笑)。
ともかく、二度と観れるかどうかわからないくらい、
圧倒的に美しい光景だったなあと。
年明けのツアーも楽しみです。
投稿: yama(Key) | 2011/10/23 11:00