失う用意はある? それとも放っておく勇気はある?
『個展 “名古屋のシュガーモナコ” スペシャル』
~tobacojuice ×アナログフィッシュ 密室の超白熱2マンライブ!!~
2011.4.24 Sun. 舞鶴 K.D ハポン
出演: tobaccojuice、アナログフィッシュ
一度行ってみたいと思っていた名古屋のハポン。
大久保さんが名古屋で絵の個展をするのが発端で決まったライヴ。
アナログが対バンということで、これは絶対行かねば!
鶴舞駅から高架沿いにしばらく歩くとハポンに着いた。中に入るとあちらこちらに大久保さんの絵が飾ってあって素敵な雰囲気。
私が今までアナログを観た中では最小のハコ。すごく変わった作りで、高架下なのに天井が高く2階席もある。楽屋はハシゴ(階段じゃなくてハシゴ!)を上った2階にあって、しかも一部が丸見え。フロアで友達にばったり会い、2階に連れていってもらった。空いていたソファーに座ると、楽屋の松本くんがほぼ同じ目線にいるいう不思議空間・・・。
フロアを見ると「ステージ」と言えるものがなかった。フロアと同じ高さ。マイクスタンドやエフェクターボードやシールドケーブルが束ねてある所とか、そんなものが自然とステージとフロアの境目になっているようだった。そして客と演者が近い。ライヴが始まったとき下岡さんの左前にいた男子がノリノリだったのだけれど、その彼とギターヘッドがぶつかりそうだなあと思ってちょっとひやひやしたり。
ドリンクの種類も多いし、フードも美味しそうだし(つぎ行ったら絶対カレー食べる!)、2階席の居心地は最高だし、いい予感しかしない。
<アナログフィッシュ>
開演が近づくと客も出入りする入口から3人がやってきて、ドリンクを飲んだり荷物を置いたり(フロアの一部が出演者の荷物置き場だった!)うろうろしてた。州さんはギターアンプの上にデジカメをセットしていてそれをチェックしていたのだけれど、突如おもむろに2階席を撮影しはじめたので慌てる2階。しかもジェスチャーで「ピースして!」とサインを送ってくるのでちゃんとそれに応えた2階の面々(笑)。
下岡さんがあんまり見ない黒のストラトを使ってた。健ちゃんが2009年のナツフィッシュで着てたシャツだった。
狭い会場、アナログ会議の会話が丸聴こえ。こんなの初めて。州さんだったか、下岡さんの胸についてるバッジを指さして「これいいね」と笑顔。ゆるすぎる。下岡さんは「・・・その話は後にしよう(笑)」と言い、場内にも笑いが。そして最後は「よし、頑張ろう」と一言。
新しいアレンジの「TEXAS」でスタート。踊り出すフロアを2階から眺める。素晴らしい眺め。その次は「Fine」「B.N.D」「風の中さ」と佐々木曲3連発。おお、最近健ちゃん曲の比率が少なくてちょっと物足りなかったからこれは嬉しい! 「B.N.D」は初めて聴いた。ドラムが凝ってるなあ。そして「UNKNOWN」も初めて聴いた。この曲、可愛らしくていいな! 新譜が待ち遠しい。
2階から狭いステージを見ると、一目で3人が視界に入る。リラックスして演奏している下岡さん。州さんはにっこにこ。ドラムは生音。健ちゃんの安定した歌声。見ているこちらも幸せだ。
MCもいつもにも増してゆるゆる。健ちゃんが「さあ、どうしようかね」といきなり謎のフリをしたのでみんなちょっと困って、下岡さんが「・・・曲をやればいいんじゃない?」という謎のやり取りがあった(笑)。
しかしそんなゆるい空気が、下岡さんが話で一変した。
「ロックスター、Sorrys! というバンドの尚が、ライヴで拳を挙げてるのを見て『美しい』と思ったんだけど、俺もやってみたらすごく力が湧いてきて。恥ずかしいなあって思うんだけど、やってみると自分がすごく元気になる」
そうやって始まった「PHASE」。サビの「失う用意はある? それとも放っておく勇気はある?」というところで、下岡さんが右手をぐっと上に、力を入れた拳をまっすぐ突き上げる。思わず私も2階から同じように右手をまっすぐ突き上げる。フロアでもたくさん上がる拳。気づくと2階席の2列目の人は全員拳を挙げていた。2階席の様子に気づいた州さんがすごくいい笑顔で笑ってくれた。そうやってサビの度に拳をあげていると、下岡さんの言うとおりどすごく元気になってきて、だんだん楽しくなってきた。
下岡さんはとても雄々しくて美しかった。拳をまっすぐ上げる姿が目に焼き付いて離れなかった。
次の「アンセム」では2階からめいっぱい両手を広げてキャッチした。最後の「荒野」では思わず立ち上がってしまった。何だろう、あの曲の、魂が揺さぶられる感じは。
アナログの3人が音を鳴らしているこの空間を切り取って、永遠に自分のものにしたいと思った。美しく、愛おしかった。
TEXAS / Fine / Brand New Day / 風の中さ / UNKNOWN / 戦争がおきた / PHASE / アンセム / 荒野
<tobaccojuice>
松本くんが歌いだした瞬間、空気の色が変わった。タバコジュースの色に染まった。さっきまでアナログがすごいライヴをやってその空気がまだ尾を引いていたけれど、1発目の音で全てが変わった。どんどんと強くなり切なく胸に迫る「ヘッドフォンゴースト」。「CANDY」では松本くんがアコギを弾いてた。「幻メルヘンシティー」も相当好きな曲。松本くんのしなやかな強さと、文字通りメルヘンな大久保さんのギター。
次の「ダダダダンス」では思わず立ち上がって踊った。ここで踊らずどこで踊る! フロアを見下ろすとみんな幸せそうに踊っていて、それはそれは素敵な光景だった。その次の「HEADLIGHT」、迫力がすごかった。特に脇山くんのドラム。
松本くんが「今まで見た『人生最高の夕焼け』は横浜のライヴ前に見た夕焼けだったんだけど、今日の名古屋で更新しました」と話してくれた。それが何かね、しみじみと嬉しかったんだ。
ああ、ハポン最高だ、と思っていたところで、松本くんが「ライヴハウスのことを歌った歌です」と言って「ドリームス」。これがまたすっごく良かったんだよなあ。ほんと最高。
そして、一番良かったのは「ガーベラ」だった。「死ぬまでにあと何回このきれいな場所へやって来れるのかい」という歌詞が、このシチュエーションでぐっと来た。
鶴舞K.Dハポン、名古屋で一番好きなハコに昇格した。あと何回、やって来れるんだろう。うん、何度も来よう。
ヘッドフォンゴースト / CANDY / 幻メルヘンシティー / ダダダダンス / 白い馬 / HEADLIGHT / ドリームス / 悲しみのない世界 / ガーベラ
En. スモーキーラム / パーティーブルース
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コメント
拳上げるの、そういう意味があったのか。
そういえば最近やってるな、って思った。
投稿: Qdelic | 2011/05/06 15:44
Qdelicさん:
そうかー、基本的には拳について説明はないのね。
下岡さんが叉市くんのことを「ロックスター」と言ったのにぐっときたなあ。
叉市くん、復活できるみたいなのでいつかライヴ観たいです。
投稿: yama(Key) | 2011/05/09 00:26
拳の説明、FISH DOでしてたわ。
で、皆で拳掲げた。これはいいね。叉市くんは某氏の強い勧めもあり、バンドのライブ観るつもりです。レコ発も元々予約してたしね。
投稿: Qdelic | 2011/05/09 10:04