時計の針合わせるのはもうやめた
Life Goes On / アナログフィッシュ
州さん不在の時期に彼らのライヴを観る度に感じていた「彼らは前しか見ていない」ということを、このアルバムからも強く感じた。健ちゃんも下岡さんもとても開けた直接的なメッセージを放っているのだけれど、2人の違いがはっきり出ているとも思った。「ハッピーエンド」「ハローグッバイ」など、佐々木曲での鍵盤が素敵だ。鍵盤のハマりっぷりには感動したよ。ものすごい幸福感。
クレジットを見ずにドラム当てをやってみたけど半分しか当たらなかった。「Tomorrow」が州さん、「ハローグッバイ」がビッツくんっていうのはすぐわかったんだけどなあ。ある意味、ここまで違いがわからないというのはすごいと思う。
***
6曲目「曖昧なハートビート」が好きだ。
ライヴでやったことない曲だから新鮮、ということもあるんだろうけど。
時計の針合わせるのはもうやめた 何度やっても結局ズレるから
長い夜もあればその逆もあるように 心の有り様で全ては決まる
という冒頭の歌詞に心を掴まれた。
この曲で思いだしたのは、「時間」についての木村ひさしさんのブログ。
ここやここ。特に後者の「ヤモリ」の話は秀逸だな。
「時間の概念」は、人為的なものだ。
人間は太陽や月を目印にして「時の流れ」を発見し、それを等間隔に切り取って印をつけて、時計という形にした。
時間は、凸凹ではなく等間隔なのだ。
だから、凸凹な自分のテンポと合わないことがある。
信じるべきものは、時計の針のチクタクした音ではなく、自分の鼓動。自分の心。
ハートビート。
不規則なリズムを刻む、不規則なテンポで進む、自分の心。これを信じよう。
このメッセージが淡々としたリズムに乗り、下岡さんの飄々とした歌となる。
素敵だ。
曖昧なハートビート 信じてるぜ 愛してるぜ
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コメント
健ちゃん曲の鍵盤の幸福感はもう、頷きまくります。
下岡さん曲も相変わらず深くて、でも凄いわかりやすい方向に進化してますよね。
曖昧なハートビートのくだり、確かにひさし兄さんのエントリー思い出します。
あの文章凄い衝撃だったなぁ。
あとでゆっくり読み直そう。
投稿: 24wave | 2010/02/14 13:13
24waveさん:
コメントありがとうございます。
いやあもう、木村さんの鍵盤すてき! 幸せを感じてしまう。
健ちゃんの開けた曲にびっくりするくらい合うんですよね。
「曖昧」の歌詞のことも含めて、木村さんの存在は大きいですよね。
音だけでなく、精神的な支えという意味で。
この人がいなかったら2人時代のアナログ、どうなってただろうな。
今さら木村さんの偉大さについて何を言ってるって感じですが(笑)、
改めてそう思った次第です。
投稿: yama(Key) | 2010/02/15 22:50