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2009/05/24

思い出せない 君のかたち なぞった

sleepy.ab
新譜録音経過報告行脚
2009.5.19 Tue. LIVE SQUARE 2nd Line

スリーピーの大阪ワンマン。3月の名古屋以来。

最後の最後まで行くのを迷った。もちろん原因はインフルエンザ。
こんな時には自粛すべきなんですが・・・。

行きたい。

大阪在住の姉や友人にメールをしたり、ネットを見たりして情報を仕入れた。確かにみんなマスクをしているみたいだけど、それ以外は普通に生活しているんだから大丈夫なはず!と判断。感染力は季節性インフルエンザとそう変わらないと言うし。大阪での滞在時間を極力短くし、マスクをしてライヴハウスへ向かった。

4年ぶりのセカンドライン。JRの高架下のライヴハウス。すっかり記憶が薄れてた。こんな内装だったんだな、なんて思いながら入場。

会場内は温かい空気に包まれていた。穏やかな、賑やかな、ほっとする空気。ああ、大丈夫だな、と安心した。こんないい雰囲気ならウイルスも寄ってこないはず、なんて非科学的なことを思った。でもね、それくらい、いい空気感だったのです。

名古屋ワンマンと同じく「メリーゴーランド」でスタート。はじまる前は演奏が電車の音にかき消されないかなんて心配していたけど、はじまってみれば大丈夫だった。世間的にはふわふわした音楽をしているように思われているけど(確かにCDでは浮遊感が際立っている)、ライヴはがっしり力強いのです。

序盤の照明が深い青色だった。幻想的。「アクアリウム」のPVを思い出す。

成山くんの最初のMCは「勇気あるね(笑)」でした。そう、インフルエンザのこと。「中止になるかと危ぶまれたけど」という田中さんの言葉も。きっと来れなかった人もいるんだろうと思う。

田中さんが「昔、最初にここに来た時、高架下だったのにびっくりした」と言うと、成山くんが「心が折れそうになってた」と告白。今日も時々、低い声の成山くんのMCが電車の音にかき消されてました。

静かにマイクに視線を落とす成山くん。顔にマイクの影がかかる。MCでは両手でギターを抱くようにして喋る。ああ、何て素敵な佇まい。完全に「恋」です、これ。

名古屋ではやらなかった「Spinal Cord」「Anomarokaris」。「Spinal Cord」では、激しくなるところで成山くんが身体を左右に揺らしながら歌う姿にぐっときた。「Anomarokaris」は初めてライヴで聴いた。低くはじまり、静かに盛り上がっていった。

今日のライヴで特筆すべきは、4曲披露した新曲。そのうち3曲は3月の名古屋ワンマンでも聴いたけど、やっぱりどの曲も素晴らしかった。

「ナハトムジーク」では後半の激しさにはっとした。初めて聴いた「メトロノーム」は山内くんの透明なギターの音に酔いしれた。歌詞に街の風景が出てきて、けっこう具体的な描写があったような記憶が。珍しいな。そして「ドレミ」の歌詞に胸が締めつけられる。

思い出せない 君のかたち なぞった
消えないように 月に描いた 幻

名古屋ワンマン後に書いた記事では「シンプルで丸っこい、かわいい曲」なんて表現していたけど、歌詞はすごく切なかった。今日はよく歌詞が聴こえたから(そして2度も「ドレミ」を聴いたから)よく心に残っている。

ノルウェイの森」で「僕」が直子の身体を何度も撫で、忘れないようにその形を頭の中に叩き込む場面を思い出した。満月の月明かりの下、「君」を想う心のうちを想像すると切ない。

(「消えないように」だったかな?「忘れないように」だったかな? ちょっと記憶が曖昧ですが)

「アクアリウム」のイントロ、ピンと張りつめて混じりっけのないクリアなギター音が場内に充満して、まったくの異世界になった。深く、深く、底へ潜っていく。

この曲はこのライヴ終了後、日が変わったらスペシャのサイトなどで先行配信されるとの告知。成山くんが田中さんに「ダウンロードしたことある?」と訊くと、田中さんは「え?(ノーコメント)」みたいになってました(笑)。ちなみに田中さんは「日が変わったらすぐ、僕は誰よりも早くダウンロードします!」と力強く宣言されてましたが。

その「アクアリウム」のPVを先日観ました。水中の鮮やかで神秘的な世界が素晴らしい。彼らも初めて観た時、すごく感動したそうです。「そういや山内がPVにイカがいるって言ってたけど・・・」といきなり山内くんに振る成山くん。結局イカは出ていないという話になったのですが、帰ってから録画を見直したらいましたよ、イカ。

7月の札幌ワンマンの告知もありました。彼らの地元。「札幌、近いですよ。1時間40分くらい?」と言う成山くん。そりゃ行きたいけどさ・・・。

最後は「sonar」で鮮やかな世界が広がり、「遊泳スローモーション」でうねり、「ねむろ」で落ち着いた。「ねむろ」を聴くと本当にほっとする。

アンコール。

「24」

言葉にできない。形而上の世界を描いているのだから(と私は感じている)、言葉では説明できない。この世界の向こうにある、理性では捉えれらない世界と存在。引き込まれて聴いていると、ここが大阪のライヴハウスではなく、地球上のどこでもない、全然違う世界に見えた。

いったいここはどこなんだ?

カウントがはじまる。力強い成山くんの声。山内くんのギターに足元から身体ごとどこかへ連れていかれる。「19」くらいで山内くんが立つ。アウトロで山内くんがボトルネックをゆっくりスライドさせていったスピードのままに、余韻がいつまでも私の耳と心に残っていくようだった。

ダブルアンコールの拍手。どうかな?と思ったけれど、しばらくしてもう一度出てきてくれた。嬉しい。予定にはなかったようだった。ダブルアンコールはリクエスト制ということで、客席から希望を募った。

「賛歌」「Scene」「PAIN」「雪中花」と次々と声が上がる。おおー、お客さん、みんな素晴らしい! 私は断然「賛歌」が聴きたかった。田中さんが「一回やった曲でもいいんですよ」というと「ドレミ」という声が上がった。

せっかくみんながリクエストしたのに、「どうやって決めるの?」と困る4人(笑)。そういう時はだいたい、成山くんが山内くんに振る。「ほら、最後にやってみたい曲はないの?」と言うと、山内くんが「ドレミがいいな」と言った。

ということで、本日2回目の「ドレミ」に決定。

ギターのアルペジオに合わせて、成山くんが歌い出す。

思い出せない 君のかたち なぞった
消えないように 月に描いた 幻

帰り道、心の中で儚く満月が輝いた。そんな気がした。

***
次の日、「24」の歌詞カードを読んだら震えが止まらなくなった。夜、ひとりでぶるぶる震えてた。抽象的な言葉の裏に透けて見えた、把握できない存在への「畏れ」。

まだ 見ぬ君よ その夢に映る
光の渦にそっと触れる

いま 生きる意味を 教えて夢のように
この瞬間を許し合える

ああ、このバンド、言葉にはできないけれど、とんでもなくすごい。


<セットリスト>

メリーゴーランド
なんとなく
inside
四季ウタカタ
Spinal Cord
ナハトムジーク(新曲)
Anomarokaris
メトロノーム(新曲)
ドレミ(新曲)
アクアリウム(新曲)
メロディ
sonar
遊泳スローモーション
ねむろ

en.1
24

en.2
ドレミ

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