« 2008年3月10日15時30分、メール着信。 | トップページ | たまには »

2009/03/14

三月

三月のしらけた道。

大学の卒業式の時点で、就職が決まっていなかった。決まっていたのは、実家に戻って公務員の試験を目指して勉強をはじめること、これだけだった。4月からどんなアルバイトで食いつないでいくかすら決まっていなかった。

(長いし恨み節っぽいのでたたみます)

いわゆるフリーター(というか無職だよな)で卒業したわけなのだが、そのことについて大学からは何も言われなかった、というよりも大学が卒業生の行き先を把握していたのかどうかすら怪しい。そんな調査なんてなかった気がする。研究室で訊かれたっけ?

就職率がどうのこうの、なんて話も全然なかった。周りもそんな話はしなかった。留年(または留学)する人が結構多い学部だったし、その辺のところは他の学部・学科とはズレているのかもしれない。ちなみに地方国立大学の文学部、自分がいたのは哲学科。自分もしっかり留年(留学)したんだけどさ。

私は1974年生まれ。この話は1990年代後半の話。この頃は皆さんご存知「就職氷河期」で、特に地方の女子学生は大変だった。リクルートからの就職情報誌がほとんど送られてこない(当時ネットは主流じゃなかったから分厚い雑誌が送られてきた)、履歴書を送っても何の連絡もない、そんなの普通だったんじゃないかな。まあ、自分の就職活動が大したものではなかったから実際のところはよくわからないんだけど。

私はマスコミ(新聞)志望で、それに失敗してからはいくつか他の業種を周ったのだけれど、試験を受けた数が本当に少なかった。「景気が悪く受けられなかった」というのもあるし「自分の意志で狭い業界しか受けなかった」というのもある。だから就職が決まらなかったのも当然と言えば当然かもしれない。

***
いま「内定取り消し」となった大学4年生に対して、大学が次年度の授業料を免除するという動きがある。この話を聞いた時、まったく理解できなかった。卒業時に多くの学生が無職の状態だった私たちの世代は何だったんだ。

と、ルサンチマンな感じになりかけて、思い直す。

学生の就職状況なんて大学には関係ないじゃないか。大学は教育機関として卒業に値する知識と教養と思考力と技能を学生に身に付けさせる、それだけでいいじゃん。就職は自己責任。そこまでして就職を決めさせてから卒業させたいのか。

当然、この動きには「企業の新卒志向が高い」「教育・研究機関としての大学から、社会で即戦力となる人材を育成する大学へと変化していった」という背景があるのは知っている。でも、やりきれない、割り切れない感情。

彼らは不遇だった自分の世代(いわゆるロスジェネ)とよく似た世代になるのかもしれないけれど、彼らの方が優遇されていないか?という妬みの心が渦巻く。自分、心狭いわ。

さらに発展すれば、もっと旨い汁を吸っていた世代には怒りすら感じるのだけれど。どの世代なのかはあえて書きませんが。自分の世代は、受験が厳しく、就職も決まらず、決まっても不安定で、将来は年金がもらえるのか不安。書き連ねるだけで悲しい。

***
どの世代にも、その時代に生まれたことによって享受できた幸福と、その時代に生まれたことによって避けられなかった不幸がある。そのことくらいわかってる。でも、どう考えたって自分の世代は恵まれてない、そう思わざるをえない。ああ、やっぱり心狭いわ。

|

« 2008年3月10日15時30分、メール着信。 | トップページ | たまには »

日常」カテゴリの記事

コメント

内定を取り消されてしまった学生は本当に気の毒だと思うのですが、
それに対する大学の対応や、
「人生を台無しにされた」と訴訟を起こす学生などを見ていると、
なんだか腑に落ちないモノがあります。
これに限らず、権利をそんなに振りかざすのが本当に正しいことなの?
って思いはよくします。
私、かなり心が狭いです。

投稿: coo | 2009/03/16 20:34

cooさん:
コメントありがとうございます。

この記事に全然反応がなかったら、みんな私の心の狭さに呆れてるんだろうな・・・と思っているところでした(笑)。わかってくれる人がいてよかったです。

社会保障やセーフティネットは必要だと思うけど、何でもかんでも社会や国の責任にしてはいけないよねえ。自分もその社会や国の一部なのに。自分も社会や国を作っている一人なのに。

怒りの矛先をどこへ、どうやって向けるかというのは重要な問題だけれど、どこへ向けても何の解決にもならないことってあるんですよね。「その時代と世代に生まれた宿命」というものがあるんですよね、悲しいけど。そればっかりはどうしようもない。

この歳になって、やっとわかりましたよ・・・。

投稿: yama(Key) | 2009/03/16 22:29

同じ74年生まれとして、気持ちは同じです。
今が恵まれているとは決して思いませんが、自分達の時は放ったらかしにされることが多かったというのは実際思います。
まぁ、今の世は情報が氾濫していて、今までなら取り上げられないようなことも大げさに書かれている面もあるとは思いますが。

でも、それだけ苦労してきている世代だからこそ、自分らが上の立場になったとき、その経験を生かすことができる日が必ず来るんじゃないかと。それを信じて、今をがんばっていくしかないと個人的には思っています。

・・・もひとつ、5年以内のカープ優勝も信じていますw

投稿: ふむふむ | 2009/03/16 22:52

そうそう思うおもう〜〜恵まれてないよね〜
会社の子とも先日私たち恵まれてないよな〜って話してた!

投稿: たえこ | 2009/03/16 23:27

おお、続々とコメントが! 集え! 不遇の1974年生まれよ!(大げさ)

ふむふむさん:
「自分らが上の立場になったとき、その経験を生かすことができる日が必ず来るんじゃないか」というお言葉、おっしゃるとおりです。いい言葉やー。心に刻んでおきます。

いま公務員やってますけど、年齢構成で見ると自分の世代はすごく少ないんです。だから上の世代(大量に採用された50代後半とか)に比べて明らかに優秀な人材が多いです。すごい倍率を勝ち抜いて採用されたのですから(自分が優秀かどうかは置いといて・笑。同期の中ではそれほど優秀じゃないかも・・・)。

だから、「自分にも他人にも厳しい人が多い」というのが私の描く同世代のイメージです。そうやって一般的に「なあなあ」だと思われている公務員が変わっていったらいいなと思っています。

さあ、明日も頑張ろう・・・。

あ、カープ(笑)。そろそろいい加減勝ってもらわないと。

投稿: yama(Key) | 2009/03/17 00:04

たえこさん:
やっぱりそうですよね。私が感じていたことは間違いではなかった。

私たちは、「真面目に勉強して、いい高校・大学に入って、大企業に入れば、人生安泰だ」と信じることができた最後の世代だと思うんですよね。だから、高校を卒業するまではある意味幸せだったのかもしれません。

高校卒業目前でバブルが崩壊して、大学を出る頃には就職氷河期。信じていた幸せが幻と消えた。上へ昇ったらハシゴを外された。誰が悪いなんては言えないし、言ったところで何にもならないけど、何かやりきれない。

何が正しいとか 誰がおかしいとかじゃなくてさ
何を信じるか どれだけ信じられるかなんだよ

♪PARADOX / song by アナログフィッシュ

って歌詞を噛み締めながら寝ます。おやすみ。明日も頑張ろうぜ。

投稿: yama(Key) | 2009/03/17 00:15

間違ってませんよ〜
せまくないですよ〜

世間は厳しいのにね
現時点で守られてるから甘いと思いますよ
ふぅ(;-_-)=3

うーん、旨い汁を吸ってきた世代ですか(笑)
恵まれてますよね〜
なんかねぇ(-.-;)
ってか、また話聞いてね(^^;)

投稿: 奏多 | 2009/03/17 19:45

奏多さん:
あなたはそんなに歳かわらないですよ。ちょっと上なだけで、同じ世代に括れると思います。あ、でもバブルに関しては「逃げ切った」感じはするかな。

甘い汁うんぬんっていうのは、私のイメージではもっともっと上の世代の人たちです。でも、この世代がどうのこうのと言い出したら、キリがないからねぇ。だから言いたくないんだけど、今回はどうしても思いの丈を言いたくなって・・・。

いろいろ大変ですよね。話聞きますよー。

投稿: yama(Key) | 2009/03/17 22:07

今頃コメントしますが、、

やっぱり私たち恵まれてなかったですよね~
その時は渦の中にいて必死で、深く考えもしなかったけど
改めてyamaさんの記事で確認しました^^;

最近は私、旦那の就職活動を支えて?ます++;
面接での感触・コメントと結果がまるで違う!
ひどい会社、多いわ~
新聞で見た「就活を支える親の接し方?」みたいな記事を
参考にしてます…^^;
当時はこんな本すらなかったよね?!

でも最近、ええ加減、嫌気が差してきた!
簡単に仕事を変える旦那も旦那!
それでも支えなきゃいけないのか?…みたいなね^^;

投稿: chilla | 2009/03/19 08:48

chillaさん:
コメントありがとう。ここにも不遇の1974年生まれが!(また大げさ)

私から見れば、あなたはあの就職氷河期の中でも手堅く就職を決めた印象があります。それでも大変だったのだと思いますが。

旦那さん、就職活動中ですか。仕事が決まらないとお互いイライラして、家の中が結構大変な空気になりますよね(経験者談)。いろいろお察し申し上げますが、今は過剰にならない程度にサポートしてあげてください・・・。

「就活を支える親」かあ。それこそ私たちの時にはなかった話ですね。親にそういうことをあまり相談しなかったような気がします。今は親が支える、大学も支える、だから学生はそれに甘える、のループなんだろうなと思います。ああ、何かやりきれないな。

投稿: yama(Key) | 2009/03/20 11:07

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 三月:

« 2008年3月10日15時30分、メール着信。 | トップページ | たまには »