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2009/03/03

シンシロ=新白=新城

サカナクション
SAKANAQUARIUM 2009
2009.2.15 Sun. 名古屋クラブクアトロ

もう2月が終わってしまったというのに、今さらですが。
サカナクションのライヴレポ。
すごいものを観た、すごすぎて困った、という気持ちを残しておきたい。

長文になってしまった。それくらい密度の濃いライヴだったのです。

名古屋クアトロ、ソールドアウト。山口くんがMCでも触れていたけど、これって珍しい。こんなに人がみっしりいるクアトロは初めて。アナログとかスカスカだもんなあ(涙)。アナログの時には物販になっている一番後ろのスペースにもお客さんを入れてた。

1年前の前回ワンマンはアポロシアターだったらしい。え!あんなに狭いところだったっけ? その時もソールドアウトだった。そういや去年気づいた時には名古屋も大阪もチケットがなかったんだよ。この勢いなら次はダイアモンドホール?

SEはポコポコ・・・という水泡の音。ツアータイトルが「アクアリウム」だからね。

暗転していきなり「Ame(B)」が流れてきた! そして5人が登場。途中から楽器が加わり、演奏がスタート。いきなり楽しい演出。迫力ある。どかーんと爆発する演奏。

「ライトダンス」の切れ味鋭いギターのイントロで、場内大盛り上がり。前の方はみんな跳んでる。「明日が見えなくて」のところはみんなで歌う。ああ、そうか、そういう曲なんだな。チャイニーズ(?)な曲調に合わせて、山口くんがカンフーのような動きをする(笑)。

この時点で汗だく。すごい熱気。

「minnanouta」で各人短いソロ回し。草刈姐さんのところで特に盛り上がってた。姐さん、人気あるなー。山口くんがブレイクのところで「SAKANAQUARIUM 2009」というヴォイスをサンプラーから出す。おおーかっこいい! 踊りまくってさらに汗だく。

フロアの一番下、最後方にいたのだけれど、音がいい。前に行き過ぎるとせっかくの音が聴けないからね。後ろでもちょうど岡崎さんの手元が見える場所だったのでラッキー。改めて見ると、ほとんど人力でやってるんだなあと感心する。機械を前面に出すのではなく「人力感」があること、それが私がサカナクションを好きな理由なんだろうな。

踊るうちに、ふと気づく。サカナクションの魅力は「詩的な表現」「文学的な歌詞」だと思っていたのだけれど、ダンスミュージックが持つ「身体的な音楽表現」も十分魅力的だな、と。文学系人間の私はどちらかというと前者に惹かれるのだけれど、身体的表現を通して開ける世界もあるよな。どちらの側面を好むかによって、サカナクションをどう捉えるのかが違ってくるんだろう。

こんな前半に「ナイトフィッシィングイズグッド」! 場の空気を一気に変えてしまう名曲。去年5月、夜の屋外で聴いた時の感動は忘れられないけど、ライヴハウスにもなかなか合うなと思った。雰囲気をうまく作っている。あれからまた一回り大きくなったと感じた。

「黄色い車」では山口くんがアコギを弾く。ポップでこの曲大好き。そしてこんな中盤に「白波トップウォーター」! この曲、歌詞も展開も演奏も、サカナクションの中で一番好きだ。美しい。美しすぎる。ベースライン、最後の箇所がセクシーで本当に倒れそうになった。一瞬体がふっと後ろによろけてしまった。

その次は「あめふら」! やったー! 思わずガッツポーズ。これ、聴きたかったんだよ! 雨上がりのキラキラした空気が見えるかのような鮮やかな曲。最後は山口くんが指揮者のように演奏を締め、そのまま「enough」へ。内向的な歌詞。歌い切った山口くん。感情が溢れ出る。でも、ぎりぎりのところで抑えてた。

「enough」は人前で歌いたくなかった、と言う山口くん。本当に言いたいことを「歌詞」ではなく「詩」として書いたから、メロディと歌詞の音数が合ってない、と。なるほど、そう言われてみればそうだな。この曲には感情がのってしまうからライヴでやりたくなかったのだけれど、やってみると結構いいね、と笑う山口くん。

でも私はすっかり撃ち抜かれてしまった。いろんな感情が渦巻いて動けなかった。その次が「涙ディライト」じゃなかったらたぶん撃沈してたと思う。救われた。そして次は「フクロウ」「夜の東側」! 1stアルバムの曲をたくさんやってくれて嬉しい。そういう思いを持つ人が結構いるようで、イントロで歓声が上がる。場内、静かな感激がじわじわと広がっていくように見えた。

終盤、「ネイティブダンサー」「セントレイ」「アドベンチャー」で再び熱くなるフロア。緑色のビームのような、印象的な照明がフロアを照らす。おお、クアトロ、こんな気が利く照明ができるんだなー。「ネイティブダンサー」はギターレスのアレンジなのでもっちは何をするんだろう?と思っていたのだけれど、何か卓?を触っているように見えた。一体何だったんだろう? 後ろからではよく見えなかった。

本編最後の曲「human」。奏でられる世界がでかすぎて異次元だった。

サカナクションは音が多いバンドだけれど、それにしてはバランスよくまとまっている。もっちのギターも独特だし、岡崎さんのシンセも多彩で、草刈姐さんのベースラインの美しさは類を見ない。エジーのドラムは細かく刻んでがっちり下を支えている。それにプラスして山口くんもギターを弾く。音数が多くどの音も特徴的なのに、でこぼこしていない。変に飛び出す音がないんだよな。客観的に見るとかなり不思議なバンドだと思う。

アンコール。

まず「三日月サンセット」。ああ、名曲だなあ。美しい。この曲を聴かないととりあえず落ち着かない。

最後は「アムスフィッシュ」。昔、山小屋みたいなところで独り籠もってこの曲を作ったというMC。この曲ができてサカナクションが開けた、と言う山口くん。彼にとって特別な曲なんだろう。最後の「ラララ・・・」を場内で合唱して、静かな感動とともに終了。

***
と、言いたい所なんですが、合間に爆笑MCがあったので笑いすぎて顎が痛くなったのですよ! 山口くん、しゃべってる時間長すぎ! 面白いからいいんだけど、短くしたら1曲多くできそうなくらい(笑)。

・山口、岡崎の服装を「夏休みの小学生みたい」と評する
・ちなみに赤と白(?)のボーダー柄のノースリーヴでした
・それを草刈姐さんが「えー、かわいいよー」とフォロー
・「そりゃあ岡崎は可愛いか綺麗かと言ったら可愛いけどさ」と山口

・岡崎、草刈、エジー、もっちを指差しながら、
・それぞれ「可愛い」「綺麗」「ワイルド」「甘えん坊」と短評する山口

・挙句、会場ごとにメンバーにあだ名をつけるとか言い出して、
・「もっち=かにみそ」「岡崎=まめ」「草刈=秘書」と名づける山口
・すると草刈姐さんから衝撃の一言!

「秘書経験、あります」

・山口大興奮! 「変な想像しかできないわー」って(笑)
・でも、その気持ちはよくわかります・・・

・エジーにあだ名をつけようとしている時に絶妙のタイミングで

「信長!」

という声が客席から出て大爆笑! そうだ、彼は戦国武将っぽい!

・変なあだ名を付けられっぱなしのメンバー、山口に名づけ返す

「ドS!」

と叫ぶもっち。山口くんは相当Sなんだそうですよ・・・。

・名古屋・岐阜トーク炸裂
・山口くんのお父さんが岐阜出身だそうで
・岐阜羽島で降りるより名古屋で降りて名鉄に乗った方が早いって知ってる
・と自信満々に言う山口くん

・この後 MUSICA の鹿野さんと岐阜で釣りだそうで
・静かについてくるなら、釣りに参加してOKだとか

・そしてドラゴンズファン! 「川上のことは忘れる」とのことです

・3rdアルバム「シンシロ」は「愛知県新城市」から来てるらしい
・夏に車で移動中「新城」という標識を見て、気になってたって
・このことは「MUSICAでも言ってない」とのこと、今日初めて言った?

・「新城出身の人いる?」と挙手を促すと、1人手を挙げた!
・鳳来町出身のお姉さんでした
・ということで、次のアルバムタイトルは「ホウライ」だそうです(笑)

***
「5月に東京に出てきて、そこで得た感性もあるけど、失くした感性は取り戻せない」と言う山口くん。自分の感性に敏感でいようとする強い意志。それは音源でも感じたけど、ライヴでも十分感じた。

安定感、演奏の上手さ、センスの良さが卓越している。他のバンドにはない成熟した感じ。浮ついたところがなく。地に足がついている彼ら。ひとつの完成形だろう。

でもこれって言葉で言うのは簡単だけれど、実現するのは難しいだろう。ソングライター/フロントマンの山口くん、そして各パートプレイヤーも含めて、才能と信念の強さだけでなく彼らの「努力の跡」を感じる。意外に泥臭いバンドなのかもしれない。

信念と努力とセンスで、このまま真っ直ぐ泳ぎ続けるだろう。

ツアーが終わった時、どんな魚になってるんだろう。その成長が楽しみなんだけど、こちらが想像できないくらいでかい魚になっているかもしれないな。

終演後、照明で「SAKANAQUARIUM」という単語を壁に浮かび上がらせていた。スクロールしていく照明を見ながら、こういうちょっとした遊び心、サービスにも嬉しくなった。こんなセンスも素敵だ。

完璧だった。演奏も照明も音響も楽曲も。MCにも心から笑った。素晴らしすぎて、困った。びっくりした。こんなことってあるんだ。


<セットリスト>

Ame(B)
ライトダンス
インナーワールド
サンプル
minnnanouta
ナイトフィッシングイズグッド
黄色い車
白波トップウォーター
あめふら
enough
涙ディライト
フクロウ
夜の東側
ネイティブダンサー
セントレイ
アドベンチャー
human

en.
三日月サンセット
アムスフィッシュ

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コメント

「新城」という文字の並びで山城新伍が出て来たワタクシのあたまは
ちょっと柔軟過ぎやしませんか。ヤバい、週末絶対笑う。

投稿: あおき | 2009/03/03 22:49

あおきさん:
ええっ! わあ、何その展開(笑)。

マジレスすると、笑う隙なんてない完成されたステージですよ。
ちょっとびっくりしてしまいました。

あえて難をつけるなら、一郎が喋りすぎる所(笑)。

楽しんで来てください!

投稿: yama(Key) | 2009/03/04 01:44

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