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2008/03/30

the world is changing, new world is coming.

アナログフィッシュ
HALF YEAR PRESENTATION "SIX PISTOLS" FINAL
2008.3.28 Fri. リキッドルーム恵比寿

最近、必要以上に自分の感情や立ち位置を音楽に重ね合わせてしまって、重くウェットな文章になってしまっている。馬鹿みたいに、しかも勝手に色々なものに色々なものを意味づけしている。そんな馬鹿さ加減を自分で自覚はしている。

でも、今回は私の感情なんていうものをあっさり越えてしまうライヴだった。ただただ素晴らしく、激しく、あったかく、前向きなライヴだったとしか言いようがない。

彼らはやりたいことをやった。やるべきことをやった。ただ、それだけなんだろう。

開演前のサウンドチェックでギターの音を聴いた瞬間、「いつもの音と違う」と思った。下岡さんの特徴である、弦一本一本の音が聴こえるようなクリアで明るい音ではなく、ちょっと太くてダークな音だった。でも最初はその音の変化に確信がもてなくて、初めて来たハコだから違うように聴こえるのかな?とも思った。

いつもの CAKE の SE、暗転、大きな拍手、いつもの出囃子、2+2のアナログフィッシュ登場。州さんはいないけどもっくんと木村さんのサポートが頼もしく思えて、不思議と寂しいという気持ちはなかった。

ドラムセット前、いつものアナログ会議。木村さんもやってきて最終的には4人で肩を組んで円陣状態に。客席から大きな大きな拍手。いいライヴになると確信した。

いきなり「Hello」! 「ハローニューヨーク! ハローロンドン! ハローモスクワ!」と叫ぶ下岡さん。新しいアナログフィッシュが世界と交信しようとしているんだ。

さて、注目のもっくんのドラム。重くて太くて力強い音だった。州さんのドラムは軽快で跳ねるようなカラフルな音なのだけど、それとは方向性が全然違う。まったく違うものなのだけど不思議と違和感はなかった。音も細かなフレーズも違うのだけど、こんなアナログも面白いなと思った。

もっくんのドラムを聴いて、1月の名古屋ライヴで「州さんのドラムは立体的で3次元」と表現した理由がわかった。もっくんのドラムは音が前にやってくる。客席に音の塊がどんどんずんずんと向かってくる。それを体感して、州さんの特徴がわかった。州さんのドラムは縦に抜けるんだ。叩いた音が一瞬にしてドラムセットの真上に跳ね上がるイメージ。「縦」を感じさせる音だから「立体的で3次元」って思ったんだな、私。

そこでようやく、「下岡さんがギターの音を変えた(?)のは、この重いドラムに合わせるためだったのか!」とひらめいた。本当に音を変えたのかも不明だし、他の人がどう聴いたのかわからないけど、私はそう思ったし、ものすごく納得した。

「行くのさ」のバンドバージョン、実は初めて聴いた。弾き語りでは3回くらい聴いていると思う。州さん脱退の日、この曲の歌詞を記事に書いた。あの時はこの曲の辛い部分を嘆いていたけど、この日はこの曲の中に前向きな決意を感じた。

「Low」ともう1曲で音が揃わないミス。でもなぜか気にならなかった。なぜなんだろう? 決定的なミスだったのに。音を合わせるためか、健ちゃんがよくドラムの方を見ている。こんなのなかなかないよ。健ちゃんはいつも変顔で忙しいからね(笑)。 

初めて聴いた健ちゃんの新曲「Lover」。これが大名曲。仮タイトルが「名曲」だったという話もよくわかる。健ちゃん的ロマンティックメロディーの頂点となる曲だろう。「君の手のひらを握って」という歌詞のところで、木村さんが右手をぐっと握りしめる動きをしていて素敵だった。

木村さんは、いろんな場面で右手の人差し指と中指でとんとんと左胸を叩く。それが曲やバンドに対する愛情表現と思えてじんと来た。本当にあったかい、魅力的な人だ。

「桜が満開だけど、雨降ってるね。まだ大丈夫? 散ってない?」と客席に訊きながら上着を脱いだ下岡さん。脱いだら桜色のTシャツだった。「これ、絶対確信犯だ!」と思ったのは私だけでしょうか(笑)。

「スペースシャトルに日本人が乗って、最近帰ってきたよね。何年か前にスペースシャトルが落ちた時に確かに何かが変わったんだけど、僕らはあいかわらず同じことをしている」というような下岡さんのMCから、「テキサス」。イントロがギターではなく鍵盤で奏でられた。ハンドマイクの下岡さんがステージの前まで出てきて、いつになく感情を爆発させて歌う。間奏は久々のカズー。終わったら投げ捨てた。後半のギターも激しかった。鬼気迫る演奏。スローな曲ほど感情が溢れ出すのが下岡曲の真髄だ。

観ていてあまりにも凄くて動けないまま固まっていると、その余韻も感じる隙もないまま「バタフライ」へ。私はこの曲で州さんのドラミングの虜になった。それを他の人が叩く日が来るなんて想像すらしていなかった。音質やフレーズ、動きが全然違うもっくんのドラム。ずっしりとした「バタフライ」となった。

そして次が、磔磔で2人弾き語りをした「ライトブライト」。あの時も素晴らしくて感動したけど、バンドでやることによって想像以上のダイナミックな世界になった。下岡曲であんなにドラマティックな展開の曲は今までになかった。新しい地平と白い光が見えて、凄すぎてまたもや動けなかった。自分で自分の鼓動をはっきり感じるくらいどきどきした。下岡さんはまた、今までの世界を軽々と越えてしまったな。

そして「世界は幻」。この曲は今まで最後にやることが多かったから、このセットリストにはびっくりした。「テキサス」だって一番最初や一番最後にやることが多かったはずだ。要は「テキサス」や「世界や幻」を中盤にやるくらいに新しく凄い曲が生まれていて、全体的にパワーアップしているということなんだろう。何と恐ろしい。どこまで行くんだろうか。

初めて聴いた下岡さんの新曲「パラドックス」も良すぎる。「変なのは僕かい、君かい、それとも世界かい」「ストレンジなフィーリング感じてる」という歌詞。下岡さんのねじれたポップセンスが光る。2人が交互に歌うスタイルも素敵だった。

そして、前日にオフィシャルページで発表された企画がスタート。以下、そのコピー。

***
3/28リキッドルーム「SIX PISTOLS」最終公演におきまして、最終回を記念したスペシャル企画が決定いたしました!
その名も「you shoot!」
これは通常のライブ会場ではご法度の「撮影」行為を堂々とお客様にお願いしちゃう企画でございます。

下のルールを守って楽しい思い出に、記念に是非パチリ。

ルール1.撮影は1曲、「ダンスホール」演奏時のみ。勝負はおよそ3分30秒です。
(「ダンスホール」が始まる前に曲名をメンバーがアナウンスいたします。)
ルール2. 携帯電話による撮影に限ります(カメラ/デジカメ/ビデオカメラは不可)。携帯電話でなら動画も撮影OKです。
ルール3. 周りのお客様の邪魔にならないように撮影をする。
ルール4. 撮影した写真や動画は個人で楽しむほか、ホームページやブログ、その他ページへの投稿もOKです。

***
面白いんだけど、何だよこの企画!と思いながら、しっかり動画を撮りました。「ワンツースリー、スリーツーツーワン」を指でアクションしながらだったので、笑えるくらいブレてた。でも、いい記念になったな。みんながケータイを構えていて不思議な光景となってました。下岡さんが「みんなもうちょっと遠慮すると思ってたんだけど(笑)」と言ってたくらい、みんな撮りまくり。

「Sayonara 90's」は過去を振り返るようでいて前向きだ。「アンセム」は鬱屈の中、歌うことで世界を開く歌だ。本編をしめるにふさわしい。このセットリスト、素晴らしいとしか言いようがなかった。完全に文句なし。アナログフィッシュがまた好きになったし、あの2人とサポートの2人が頼もしくて眩しくてため息が出た。

アンコール。健ちゃんがいつものように(笑)側転で登場。下岡さんがそれに続いてごろんと転がって登場。えー!(笑) どこかで腰を打ったらしく、腰を押さえて「いててて・・・」というアクションをする下岡さん。かわいくて仕方ない。

客席から「大丈夫ー?」という声が。続いて「もう1回、アンセム!」とのリクエストが。下岡さんがゆるーい感じで「アンセムはやらないよー」と返す。すると同じお客さんが「帽子とって!」という勇気あるリクエスト。それに対する下岡さんの返答が秀逸。

「ねえ、卵って知ってる? 卵ってさ、孵化するまであっためてないといけないんだよね」

ええー! あの帽子の中には卵が!?(笑) まさかの展開にみんなにっこにこ。

「もう1曲だけやらせてもらいます」「僕たちは何も変わらず続いていくから」という下岡さんの言葉から「Life goes on」。この日、州さん脱退のことに一言も触れなかった。もし2人が州さんのことを頭において発した言葉があったなら、この「僕たちは何も変わらず続いていくから」という一言だけだったと思う。それを感じながら聴いた「Life goes on」は心に染みた。

曲が終わって4人が去っても、拍手は鳴り止まない。

とうとうダブルアンコールに応えて4人が再登場した。下岡さん、「ねぇ、君たち、電気が点いて音楽も流れたでしょ!」と客席をやや説教気味に諭しながら(笑)、「僕らもうやる曲ないんだよ!」と言ってもう1回「Hello」を演奏しはじめた!

下岡さんがハンドマイクで叫びまくる。客席にもレスポンスを求める。

「ハローニューヨーク! ハローロンドン! ハローモスクワ!」
「ハロー大阪! ハロー喬木村! ハロー世田谷! ハロー恵比寿!」

***
2回の「Hello」で、新しいアナログフィッシュの誕生とさらなる進化の予感を世界に発信した彼ら。そして客席はそれをしっかり受け取った。ステージの上でも下でも、あの日リキッドルームにいた人はみんながっちり手応えをつかんだはずだ。この先が楽しみで楽しみで仕方ない。本当に凄いバンドになってしまった。どこまで行くのか恐ろしいけど、どこまでも行ってほしい。どこまでも見届けるからさ。


<セットリスト> いろんな所から拝借。
Hello
行くのさ
スピード
Low
Clap your hands
Lover
テキサス
バタフライ
ライトブライト
世界は幻
パラドックス
ダンスホール
BGM
Sayonara 90's
アンセム

en.1 Life goes on
en.2 Hello

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