NFL week17
いつもはシアトルとGBの結果を2つ並べて書いていますが、今回は1つで済みます。もうちょっと早くレビューを書くつもりだったのですが、結局こんなに遅くなってしまいました。シアトルはワイルドカードが bye だし、week17のレビューはゆっくり書いても大丈夫だと気を緩めてたらこの有様です。いやはや。今回のレビューは結果以外のことも長々と書きます。ご容赦を。前記事「憧れのグリーンベイ その4」の続きです。
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再びスタジアムへ向かう。駐車場では本物のテイルゲート・パーティが繰り広げられている。バーベキューの煙が上がっていて、みな楽しそうだ。いい光景。屋外で天然芝のスタジアム、そしてテイルゲート・パーティ。これこそフットボールの王道。この空気を味わいたくて、私はわざわざここまで来たんだ。
いよいよランボー・フィールドに入場した。キックオフの1時間前、11時ごろだった。まず、Packer Zone BBS で教えてもらった背もたれ付きのイスを借りる。5ドル。ランボーはベンチシートなので、このイスがあると隣席との境界がはっきりして座りやすい。そして直に座ると寒いから、クッションが付いているこのイスはお薦め。試合後はそのまま放置しておけばよいのも便利。
自分の席(Section127、Row12、Seat17)へ。フィールドを見ると試合前の練習が始まっていた。フィールドが近い。そして選手入場口に近い。フィールドでも客席でも、たくさんの人がカメラを手に入場口付近に集まってきている。そう、今日で現役最後になるかもしれないあの男を待っているのだ。
しばらくして、フィールド上のメディアが一斉にカメラを挙げ、入場口に向けた。ファーヴだ。歓声が上がる。サイドラインにいた人(誰だかわからなかった)とハグをしてから、フィールドに走り出していった。背番号4。かっこいい。駆けていく後ろ姿を観て、バックショットが絵になる選手ってなかなかいないと思った。
その後、アレギザンダーやハセルベックをはじめ、シアトルの選手も入ってきた。正直に言うと、シアトルはホームジャージよりもアウェイの白ジャージの方がかっこいいと思う。近くのお客さんが「アレギザンダー、今日出るのかな」「昨日ティキ・バーバーが走ったから、アレギザンダーも出るんじゃない」という会話をしている。アレクはリーディング・ラッシャーとシーズンTD記録がかかっているから、今日は絶対出るはずだ。
シアトルHC(元GBのHC)ホルムグレンが入ってきた時、ブーイングが起こった。さすがに私にはできない。スタジアム観戦の醍醐味は、観客が一体となってホームチームを応援し敵を徹底的をけなすことなのだが、今日は好きなチーム同士の対戦だから私にはそれができない。もちろん今日はグリーンベイ贔屓なのだが。
いったん選手がフィールドから去り、いよいよ試合開始のセレモニーが始まった。グリーンベイの選手紹介はもちろんオフェンス、大トリは当然「At quarterback,from Southern Mississippi, Number 4, Brett Favre」だ。駆け出すファーヴ。やっぱりかっこいい。ちょっとうるっと来た。
国歌斉唱が終わると同時に戦闘機が2機、上空を飛んでいった。これには本当に驚いた。ランボーではいつもやっていることなのかもしれないが、私はそれを知らなかったし、初めての出来事だったので。テレビではよく観る光景なのだが、体験してみるとすごい迫力。あまりにも驚いて、しばし呆然としてしまった。
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Seattle at Green Bay 17-23
GBが最初の2ポゼッションをFGで締めくくる。どちらもレッドゾーンまで攻め込んでいたのでもう少しでTDを取れそうだったのだが。ファーヴのパスがよく通っている。調子は良さそうだ。ランオフェンスは出る気配がない。
シアトルは2回目の攻撃でアレギザンダーがTDラン。目の前のエンドゾーンに入ってきた。これで得点は7-6。これでアレクはNFL新記録、シーズン28TD達成だ。
GBもヘロンがTDラン、7-13と逆転。シアトルは戦力を落としていないのに、GBがここまでやるとは思ってなかった。
ランボー名物「Go! Pack! Go!」の応援が時おり入る。しかし全体的にはおとなしいスタジアムかもしれない。シアトルのクウェスト・フィールドはもっとうるさかったように思う。
後半、シアトルはプレイオフに備えてスターターを下げた。アレクもバーバーを抜いてリーディングラッシャーになっていて、お役御免。QBはウォレス。WRジュレビシャスにTDパスを決めた。ジュレビシャスは審判からボールをもらい、ウォレスにプレゼント。後で知ったのだが、これがウォレスの初TDパスだったようだ。これで14-13とシアトル再逆転。
その後、この試合で最も盛り上がる瞬間がやってくる。
GBの攻撃中、突如「 One more year! 」というコールが向かいの客席から起こった。そのコールはあっという間にスタジアム全体に広がった。
One more year! One more year! One more year!・・・
ファンからファーヴへのメッセージだ。あまりにも突然で感動的な「"One more year" chant」だった。気づいたら私も叫んでいた。
ファーヴはWRチャットマンへTDパスを決め、14-20とさらに逆転。盛り上がるスタジアム。周りのファンが私にもハイタッチを求めてくる。うれしい。見知らぬ者同士でも喜びを分かち合える、それがスポーツ観戦の醍醐味だ。それにしてもファーヴのプレイを見ていると、ここ4試合TDパスがなく自己ワーストのINTを投げているQBとは思えなかった。得点には結びつかなかったが、その後投げたWRドライバーへの59ydパスは圧巻だった。
その後両チーム1本ずつFGを決め、17-23となる。フィールドに集中していてふと我に返ったら、4Q残り2ミニッツだった。あと2分で試合が終わってしまう。ファーヴ現役最後の2分になってしまうのか? 「この2分間が永遠に続けばいいのに」と本気で思った。
GB最後の攻撃、再び「"One more year" chant」が起こり、ファーヴは客席に手を挙げて応えてくれた。試合終了。フィールドになだれ込む選手とメディア。よく見えなかったけど、ファーヴはホルムグレンのところに行ったのだろう。手を振り、ロッカールームへと去る背番号4。
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帰らない客が多い。私も客席の一番下まで行き、フィールドと選手入場口をしばらくぼんやりと眺めていた。試合、終わっちゃった。帰りたくないな。フィールドを背にしてガードマンのおっちゃんに1枚写真を撮ってもらった。どれくらい時間が経ったかわからないが、かなり人がいなくなってからスタジアムを後にした。例の選手駐車場では、出待ちをしているファンが多数いた。私も加わろうかと思ったが、疲れていたのでホテルに帰ることにした。部屋に入ってベッドに腰掛けた瞬間、「終わった感」が襲ってきた。ファーヴ、これで終わりなんだろうか。少し感傷的になった。
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コメント
こんばんは。
旅行記、楽しく読ませていただいています。
最終戦の勝利、おめでとうございました。
最高の1日になりましたね!
私、その昔、日本でファーブに会いました。
と言っても、信じてもらえないかな~。
川崎球場です。
投稿: tim_morry | 2006/01/15 01:30
tim-morryさん:
コメントありがとうございます。
観にいって、贔屓チームが勝つと格別です。
(こういう体験をすると、毎年行きたくなる病気にかかりますが・笑)
川崎球場でファーヴに!!
彼が来日したのは、1998年のアメリカンボウル。
(その春にも確かプロモーションで来てるはず)
その関係でしょうか。羨ましい。ぜひ詳細を教えてください。
私はファーヴのサイン入りTシャツ持ってます。
TD・PRO誌の懸賞で当たりました。
プチ自慢大会みたいになってきた?(笑)
投稿: yama(Key) | 2006/01/15 08:01
試合観ましたが今回は漢字のバーナーは
発見できませんでした。
アレクの新記録とリーディングラツシュおめでとう!
またファーヴも10年連続20TD達成だそうです。
59ヤードパスは圧巻でした あれを生で見れたのは羨ましい その後のファンブルロストにはこけましたが(笑)
さてわがパッツは@マイルハイ 厳しいなー
投稿: ミーンマシーン | 2006/01/15 08:25
楽しく拝読してますー
専門的なことはおろか基本的なことも
全然わからないんだけど、
それでもkeyの情熱はよくわかる!
熱くなれるものがある、というのは
かなり幸せなことですよね。
熱い女のレポ、続きを楽しみにしてますぜ。
投稿: うえだりょうこ | 2006/01/15 20:28
ミーンマシーンさん:
バナーはあまり挙げる機会がなくて。
TVカメラが近くに来なかったものですから。
59ydパス→ファンブルロスト、こけました!!
向こうのエンドゾーンで起こったので、一瞬何があったのか分かりませんでしたが。
よっしゃ、TDパスもういっちょ!と盛り上がったのにー。
後ろの座席にいた小学生くらいの男の子がめっちゃガックリしてました(笑)。
ディビジョナル終わりましたね・・・。
投稿: yama(Key) | 2006/01/17 10:20
うえだりょうこさん:
どうもお久しぶりです!
コメントしてくれる方々が私のフットボール・クレイジーぶりを評して
「熱い」とか「人生かけてる」とかとてもいい表現をしてくれるのですが、
多分「バカなだけ」ですので(笑)。
バカでも突き進めばいつかは評価して頂けるということですね、きっと。
そんなバカ一人、今年もよろしくお願いします!
投稿: yama(Key) | 2006/01/17 10:25